ホリパッド for Nintendo Switchの連射機能を検証
連射機能付きホリパッドでスプラトゥーン2のパブロで無双はできるのか?
ニンテンドースイッチにはあらかじめコントローラーが付いています。
ですが、ゲームによっては標準コントローラーでは操作しにくいゲームがあるのも事実です。
具体的には、「スプラトゥーン2」は、はっきり言って標準コントローラーでは操作しにくいです。
右のスティックは銃口の向きを変える操作(エイム。相手に照準を合わせる操作)に使いますが、この操作を行うための位置が標準コントローラーでは操作しにくい位置にあるんです。
微妙な違いといえば微妙な違いなんですが、その微妙な違いが大きな結果の差になるのが、スプラトゥーン2なんです。
そんなわけで、絶対必要とは言わないまでも、「スプラトゥーン2」で勝率をあげたいなら「プロコントローラー」は是非とも購入したいアイテムです。
ただ、プロコントローラーは定価では 7,538円(税別)しますし、スプラトゥーン2仕様のプロコントローラーに至っては、8,078円(税別)もします。
しかも、品薄状態が続いていますし...
そんな中、ファミコンの時代から任天堂のゲーム機向けに周辺機器を提供してきた「ホリ」から、ニンテンドースイッチ向けに連射機能付き「ホリパッド」が発売されましたので、早速購入して試してみました。
「ホリパッド for Nintendo Switch」オフィシャルサイト
http://www.hori.jp/products/nsw/HORIPAD/
ホリパッドの連射機能でスプラトゥーン2のパブロを無双に!
スプラトゥーン2のパブロを持った状態で、ホリパッドの連射機能を使ってみました。
動画を見てもらえれば分かりますが、すごいスピードでパブロを振って、すごい勢いでインクが減っていきます!
これはもう、完全にハードウェアチートです。
かつての任天堂のゲーム機に対しても連射機能が付いているコントローラーが発売されていましたが、昔は自分だけで楽しんでいたわけですので、何の問題にもなりませんでした。
ですが、ネット対戦が主流になってきた現在は状況が違います。
本当に、この状況は問題ないのでしょうか???
ホリパッドの特徴となる機能の紹介
話を変えまして、まずは「ホリパッド」の機能の紹介を行います。
十字ボタンの付け外しができるコントローラー
ホリパッドのパッケージには「十字ボタンの付け外しができるコントローラー」と書いてありますが、本当にこの機能が一番の売りなのでしょうか?
この「『十字ボタンの付け外しができるコントローラー』がすげー!」みたいなことで買う意欲を刺激する機能になるでしょうか?
そんなわけないですよね。
やっぱり「ホリパッド」の最大の特徴は「連射機能」です。
ニンテンドースイッチ唯一の連射機能付きコントローラー
2017年7月13日に発売された「ホリパッド」ですが、この発売時点では、ニンテンドースイッチ唯一の連射機能を持った任天堂公認のコントローラーです。
先にも書きましたが、スプラトゥーン2などオンライン対戦などが主流となってきている現在において、そのオンライン対戦で連射機能を使うことはハードウェアチート(ハードウェアによって実装されるごまかし機能、不正機能)ともとられかねません。
この連射機能付きのコントローラーを任天堂がよく公認したなぁ、と、個人的には否定的な考えを持っていますが、それがある以上はどんなものなのか、確認は必要だろうとも思いました。
ホリパッドにはジャイロセンサーなど搭載されていない機能が多数ある
ホリパッドには連射機能が搭載されていますが、標準コントローラーには搭載されているジャイロセンサーを始め、多くの機能が搭載されていません。
そのため「ホリパッド」のパッケージにも「本品は以下の機能を搭載しておりません。これらの機能を使用するゲームでは快適にプレイすることはできません。」と書いてあります。
具体的に省かれている機能は以下のように書いてあります。
- ジャイロセンサー
- 加速度センサー
- HD振動
- NFC(近距離無線通信)
- モーションIRカメラ
- プレイヤーランプ
- お知らせランプ
ジャイロセンサー、加速度センサーといった体感型の入力機能や、HD振動、プレイヤーランプなどニンテンドースイッチからアウトプットされてくる情報への対応する機能などがまるっと省かれていて、「ボタンを押すと動く」というところに特化しているということになります。
その特化した一つの方向性として「連射機能」がある、ということでしょうか。
ハッキリ言って「連射機能」に特化したコントローラーといっても過言ではないでしょう。
コントローラーの価格を抑えるためにあえてジャイロセンサーなどの機能を省いたのか、オンライン対戦においてハードウェアチートにもなりかねない連射機能を十分に生かせないようにするために、任天堂が公認するにあたって搭載させなかったのか、本当のところは分かりません。
ですが、「スプラトゥーン2」をやる上でジャイロセンサーがないことはハンデとなりますので、「スプラトゥーン2」のために「ホリパッド」を使うことがメリットになるかどうかは何とも言えないところでしょう。
こう考えると、今の家庭用ゲーム機のコントローラーは、一世代昔のゲーム機のコントローラーとは全く違いセンサーの塊になっているので、コントローラーがゲームソフトよりも高くなっている、ということなのでしょう。
ホリパッドは USBに優先で接続する
ニンテンドースイッチの純正のコントローラーや、プロコントローラーは無線コントローラーですが、ホリパッドは、USBケーブルを接続して利用します。
そのため、使うためには「ニンテンドースイッチドッグ」を使い、テレビに接続するという限定的な使い方しかできず、ニンテンドースイッチの特徴でもある持ち運んで遊ぶ時には使えません。
もちろん、バッテリーも搭載していません。
先にも書きましたが、無線機能やバッテリーを搭載しないことでコストダウンを図っているのであろう、と考えられます。
個人的には、購入の用途はハッキリしていますので、不要な機能を省いてコストダウンされていることは非常にうれしいことです。
ホリパッドの連射機能についての詳細解説
ホリパッドの連射機能は、以下のようになっています。
- 秒間 5連射/12連射/20連射の切り替えが可能
- ボタンごとに連射をする、しないを設定可能
- 「ボタンを押すと連射をする」「ボタンを離しても連射し続ける」の切り替えが可能
秒間 5連射/12連射/20連射の切り替えが可能
ファミコンの頃の連射付きコントローラーでもよくあったことですが、連射スピードが速すぎて、ゲームソフト側が連射として認識できず、うまく弾が撃てない...なんてことが。
これを解消するために、最適な連射スピードを選択できるよう複数の連射スピードが用意されているコントローラーがありましたが、この「ホリパッド」もそういう配慮がありまして、複数のスピードの連射スピードが選択可能です。
スプラトゥーン2の場合は、最速の秒間 20発の連射でも OKです。
ボタンごとに連射をする、しないを設定可能
ファミコンの頃はボタンが 2つ。スーパーファミコンではボタンが 6つ。
これくらいであれば連射するボタンごとにスイッチを付けることもできましたが、ニンテンドースイッチに至っては、これもボタンなのか?というくらいのボタンの数があります。
それをそれぞれに連射切り替えスイッチを付けていたら、コントローラーがスイッチだらけになってしまいますので、「ホリパッド」では、連射設定ボタンと連射を設定するボタンを同時に押すことで、そのボタンに連射させる設定を付与します。
なので、スプラトゥーン2のように、ゲーム中にちょっと目を離しただけでやられてしまうようなゲームでは、ゲーム中に「連射 ON/OFF」の切り替えは相応の練習が必要でしょう。
また、前項の連射スピードの切り替えは、スプラトゥーン2のゲーム中でも慣れてくれば何とか切り替えは可能だろうと思います。
「ボタンを押すと連射をする」「ボタンを離しても連射し続ける」の切り替えが可能
「ホリパッド」の連射機能には、「ボタンを押している間だけ連射する」「ボタンを押していなくても連射をし続ける」の 2種類の連射が用意されています。
「ボタンを押していなくても連射をし続ける」の連射は、スプラトゥーン2では使いどころが思いつきませんので、必要性を感じませんが、そんな機能も付いています。
「ボタンを押していなくても連射をし続ける」機能を、スプラトゥーン2で使うと、インクが切れても連射を続けます。
そして、インクを撃ち続けている状態ではイカになれないため、インクを回復させることもできません!
ホリパッドはスプラトゥーン2で活用できるのか?
さて、ホリパッドの機能を紹介したところで、再び「スプラトゥーン2」の話に戻って、「ホリパッドはスプラトゥーン2で活用できるのか?」を検証してみました。
ホリパッドをパブロで使ってみる
スプラトゥーン2で連射といえば、最初の動画でも出しましたが「パブロ」での連射でしょう。
これは最初の動画で出しましたが、それはもう、圧倒的な連射スピードで、目の前の相手を圧倒してくれます!
ですが、それ以外の「H3リールガン」「ヒッセン」「バケットスロッシャー」「ホクサイ」「カーボンローラー」などでも試してみましたが、手で連射するのと変わらないなぁ、というのが実際に試してみた感想です。
「」の記事ではすべてのブキの連射スピードを一覧で見ることができますが、具体的な数値をあげると、連射スピードが「10F(60分の 10秒。)」より遅ければ手で行う連射でもほぼ対応が可能であろうと感じます。
実際に、以前検証していたパブロの連射スピード「7F(60分の 7秒)」も、手動で検証したときと結果は同じでしたので。
ただ、インクがなくなるまでの 6秒弱、連打し続けるのはかなり厳しいので、と言うか、中指で連打するのは無理なので(検証の時は持ち方を変えて人差し指で連打しました)、ボタンを押すだけで圧倒的なスピードの連射ができるのはお気楽なのは間違いありません。
ホリパッドをボールドマーカーで使ってみる
元々すっとインクショットボタン(ZRボタン)を押し続けると弾を連射するシューター系の「ボールドマーカー」にも使ってみました。
すると、ボールドマーカーの連射スピードとホリパッドの連射のタイミングが合わないようで、通常の連射の 3分の 1くらいのスピードの連射となりました。
秒速 5回、12回だとさらにタイミングが合わないようで、変なリズムを刻む連射になってしまいました。
ホリパッドをチャージャー系、スピナー系で使ってみる
チャージが必要なチャージャー系、スピナー系のブキでも使ってみました。
チャージャー系やスピナー系のチャージが必要な武器の場合、ボタンを押し続けると連射になってしまうため、全くチャージすることができません(笑)!
先にも書きましたが、「連射 ON/OFF」の切り替えをスプラトゥーン2の試合中に行うのはなかなか大変なので、チャージが必要なブキには事実上使うことはできません...
プロコントローラーとホリパッドを併用することは可能か?
プロコントローラーと「ホリパッド」を併用することが可能かどうか、確認をしてみました。
つまりは、プロコントローラーでキャラを操作しつつ、「ホリパッド」で連射ボタンを押す、みたいなことができるかどうかの検証です。
結果
併用することは
できません!!
プロコントローラーとホリパッドの併用ができるならば、手にプロコントローラーをもって、ホリパッドの連射は足で操作する、みたいなことをすれば、ジャイロセンサーがないホリパッドも有効に活用できるんじゃないか!
なんてことを思ったわけですが、そういう使い方はできませんでした...残念!
ニンテンドースイッチでは、使っているコントローラーがどれで、どのコントローラーからの信号に対応すればいいか、チェックする機能が搭載されています。
そのため、複数のコントローラーから入力信号を受けると、どのコントローラーを有効にしますか?という画面が出てきて、「L+Rボタン」を押してコントローラーを選択し、「Aボタン」で決定する、というプロセスを実行します。
そのため、スプラトゥーン2の試合中にコントローラーを切り替えながら戦うのは事実上無理なので、プロコントローラーを使いながら、ホリパッドの連射機能だけ使う、という方法も使えません。
私が連射機能搭載のホリパッドを購入した本当の理由
私がこの連射機能のホリパッドを購入した本当の理由は、スプラトゥーン2のブキの連射スピードを正確に計測するには、手動では限界がある、と感じたためです。
「」
「」
などの記事には、スロッシャー系やローラー系など独自に測定した連射スピードの情報などを掲載しています。
これらの連射スピードを正確に計測するには手動では限界があると感じたわけです。
そのため、機械的な連射機能の必要性を感じ、連射機能が付いているコントローラーを探したところ、この「ホリパッド」に行きついた、というのが真相です。
ちなみに、「」に掲載している攻略本には、シューター系の連射スピードの情報は掲載されています。
ですが、スロッシャー系やローラー系、フデ系、チャージャーの単発の連射スピードなどは掲載されていません。
そんな状態では、すべてのブキの情報を横断的に見比べることはできません。
シューター系の連射スピードは掲載されていますので、シューター系のキルスピード(初弾を当ててから相手を倒すまでのスピード)は算出できますが、バケットスロッシャーの連射スピードは分からないため、バケットスロッシャーのキルスピードは算出できないわけです。
そんなわけで「」で記事を書きましたが、ニンテンドースイッチの動画を録画できる「HDMIキャプチャー/GV-HDREC
こういった計測を行った結果として、「」にはすべてのブキの連射スピード、キルスピード、インクがなくなるまでの連射数、連射時間などが分かるブキ一覧として掲載しています。
全てのブキの連射スピードなどが分かるサイトはここだけです!
ニンテンドースイッチ用連射機能付きホリパッドのまとめ
最近は、任天堂のゲーム機に限らず、プレステなども純正以外のコントローラーが発売されることはほとんどないように感じています。
理由は、コントローラーを作っても儲けが出ないからであろうと考えています。
先にも書きましたが、最近のコントローラーはジャイロセンサーとか加速度センサーとか、ボタンも多くなり、スティックもアナログスティックになっていますし、コントローラー一つとってもかつてよりも高価な部品が使われるようになってきているのだろうと思います。
そのため、任天堂やソニーといったゲーム機メーカー以外が、コントローラーだけを独自に企画して制作しても、純正のコントローラーより高くなるであろうことは容易に想像でき、販売しても利益を上げることが難しいのだろうと考えています。
そんな中「ホリパッド」は、価格が高くなりがちなセンサーを省き、最低限必要なボタンと独自の「連射機能」に絞ることによって、3,218円(税込)という価格を実現したのであろうと感じます。
その潔さには感心します。
ただ、今回実験をしてみましたが、スプラトゥーン2はジャイロセンサーがないとエイム(相手に照準を合わせること)が非常に大変で、ホリパッドの連射機能を有効に生かせるゲームは多くないかもしれない、と感じたのも事実です。
多様に拡張された機能はハードウェアチートになりかねないとはいえ、もっと多様な周辺機器が出てきてもいいのかも、と思わずにいられません。